端午の節句が近づくと、「五月人形 いつ出す」「出さないとどうなる」といった疑問を持つ方が増えてきます。
五月人形は、男の子の健やかな成長を願って飾られる日本の伝統的な飾りですが、「飾ってはいけない日はいつですか？」「兜はいつまで飾ればいいの？」「しまいっぱなしにしても大丈夫？」など、正しい扱い方が分からず悩む家庭も少なくありません。
端午の節句に向けては、「いつから飾るのが良い日なのか」「収納方法は段ボール以外でどうすればいいか」「最近の傾向として買わない人の割合は？」など、気になる情報が多いのではないでしょうか。
また、「飾る場所がない」「しまい忘れたままになっている」「お下がりは夫のものでも使える？」といった実生活に即した悩みもよく聞かれます。
この記事では、2025年に五月人形を出す時期やしまうタイミング、飾る場所や供養の必要性、そして「お下がり」の扱い方まで、よくある疑問に丁寧に答えていきます。トラブルを防ぎ、家族にとって心地よい節句を迎えるために、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
- 五月人形を出す時期と縁起の良い日の選び方
- 飾らない場合や出しっぱなしにしたときの影響
- 正しいしまい方と収納方法（段ボール以外の工夫）
- お下がりを使う際の注意点や供養・お祓いの必要性
五月人形はいつ出す？出さないとどうなる？
- 2025年の端午の節句、いつから？良い日をチェック
- 五月人形、兜を飾ってはいけない日はありますか？
- いつしまう？ ベストな時期と段ボール以外の収納方法（ニトリ）
- 出さないとどうなる？出さないまま大人になったらどうなる？
- 出したいけれども、飾る場所がない！
2025年の端午の節句、いつから？良い日をチェック
端午の節句は毎年5月5日と決まっています。2025年も例外なく5月5日がその日にあたります。
五月人形はこの日までに飾るのが一般的で、地域や家庭の慣習によって異なりますが、早ければ春分の日（3月20日頃）から飾る人もいます。
このような行事においては「縁起の良い日」に飾るとされることが多く、特に「大安」「友引」は吉日として人気があります。
2025年の暦を見てみると、4月中旬〜下旬にかけて大安の日が複数あります。例えば4月14日（月）、4月20日（日）、4月26日（土）は大安にあたります。
このようにスケジュールに余裕を持ち、4月中旬から4月下旬にかけて飾る準備を始めることで、落ち着いて節句を迎えることができます。特に仕事や育児で忙しい家庭では、週末に合わせて飾ると無理なく行えます。
大切なのは日にちの良し悪し以上に、子どもの健やかな成長を願う気持ちです。日取りにこだわりすぎず、家族で一緒に飾る時間を楽しみましょう。
五月人形、兜を飾ってはいけない日はありますか？
基本的に、五月人形や兜を飾ってはいけないとされる「絶対的な日」は存在しません。ただし、縁起を重んじる日本の文化の中では、避けられる日もあります。
例えば、「仏滅」は何事にも不向きとされる日で、婚礼や引っ越しと同様に、五月人形の飾り付けも敬遠されることがあります。
また「赤口（しゃっこう）」は午の刻（11時頃〜13時頃）以外は凶とされるため、気にする人は午前中または午後遅くを避ける傾向にあります。
一方で、こうした六曜（ろくよう）はあくまで目安です。家庭の都合や子どものスケジュールを優先して問題はありません。
例えば、家族で一緒に飾る時間が取れる日が仏滅であっても、その日の午後に明るい気持ちで飾り付けをすれば、悪い影響があるとは考えにくいでしょう。
いつしまう？ ベストな時期と段ボール以外の収納方法（ニトリ）
五月人形をしまうタイミングは「端午の節句（5月5日）が終わったあと、晴れた湿気の少ない日」が理想です。特に梅雨入り前までにしまうのが一般的とされています。
湿気がこもりやすい時期に収納すると、カビやシミの原因になることがあるため注意が必要です。
また、収納の方法も重要です。昔ながらの段ボールは通気性に乏しく、湿気対策が難しいというデメリットがあります。
近年はニトリやホームセンターで販売されている「プラスチック収納ケース」や「桐製の収納ボックス」など、湿度調整しやすく長期保管に向いている収納アイテムが人気です。特に桐素材は湿度の変化に強く、防虫性にも優れているため、大切な人形を長持ちさせるのに適しています。
さらに、除湿剤や防虫剤を一緒に入れておくことで、より安心して保管できます。このとき、人形に直接触れないよう、和紙や柔らかい布などで包むのが理想的です。
こうした工夫をすることで、来年もきれいな状態で飾ることができるようになります。しまう時期だけでなく、収納方法にも気を配ることが、五月人形を長く大切に使うコツです。
出さないとどうなる？出さないまま大人になったらどうなる？
多くの場合、五月人形は「子どもの健やかな成長を願う」ために飾るものとされています。そのため、飾る年齢の目安としては中学生ごろまで、もしくは15歳（数え年の厄年）くらいまでとされることが一般的です。
ただし、明確な決まりはなく、家庭によっては成人するまで飾るケースもあります。
一方で、子どもが成長し飾らなくなっても問題はありません。無理に毎年出さなくても、飾ること自体に意味があるわけではなく、その時々で「感謝の気持ちを込める」ことが大切です。
例えば、節目の年にだけ出す、気が向いたときに出す、といった柔軟な対応も十分に受け入れられています。
このように、年齢によって必ずしも「出さなければならない」というものではなく、家族の生活スタイルや気持ちを大切にすることがポイントです。「もう大人だから飾らなくていいのでは」と感じたときが、自然なタイミングのひとつといえるでしょう。
出したいけれども、飾る場所がない！
飾る場所がなくて悩んでいる方は少なくありません。特にマンションやアパートなど、限られたスペースで暮らす家庭では「五月人形を出したいけれど場所がない」と感じがちです。しかし、飾る場所は必ずしも広い和室や床の間である必要はありません。
たとえば、リビングのサイドボードや玄関の棚など、日常生活の中で目に触れる場所でも問題ありません。重要なのは「清潔で直射日光や湿気が当たりにくい場所」であることです。人形に負担をかけないよう、風通しのよい場所を選びましょう。
また、最近はコンパクトサイズや壁掛けタイプの五月人形も増えており、省スペースで飾れる工夫がされています。インテリアに馴染みやすいデザインも多いため、飾ること自体が生活の彩りにもなります。
どうしてもスペースが確保できない場合は、兜だけを出してシンプルに飾るという選択肢もあります。すべてを出さなくても「子どもの健やかな成長を願う気持ち」を形にすることができれば、それで十分意味があります。
このように、飾る場所がないときでも柔軟に工夫すれば、五月人形を無理なく楽しむことができます。
五月人形出さないとどうなる？いつ出す？迷った場合の対応策
- 五月人形買わないひとの割合
- 受け継ぐ場合の注意点とトラブル
- 夫のお下がりを気にする場合、気にしない場合。どちらが正解？
- 夫のお下がりを気にする、気にしない場合。お祓い、供養が必要なケースは？
- しまい忘れてしまいました。。。ずっと飾っているのはNG？
五月人形買わないひとの割合
五月人形の購入については、家庭によってさまざまな選択がなされています。ベネッセ教育情報サイトの調査によれば、高校生以下の男の子がいる家庭のうち、五月人形を所有している割合は67.7％と報告されています。
この結果から、約3割の家庭が五月人形を購入していないことがわかります。購入しない理由としては、価格が高い、飾る場所や収納スペースの確保が難しい、飾り付けや片付けが手間である、といった点が挙げられます。
一方で、五月人形を購入する家庭では、子どもの健やかな成長を願う伝統的な行事として重視する傾向があります。また、購入の際にはデザインやサイズ、価格などを考慮し、家庭の状況に合わせた選択が行われています。
最終的には、各家庭の価値観や状況に応じて、五月人形の購入を検討することが重要です。購入しない場合でも、手作りの飾りや家族での特別な食事など、他の方法で子どもの成長を祝うことも一つの選択肢となります。
受け継ぐ場合の注意点とトラブル
五月人形は、男の子の健やかな成長を願って飾られる日本の伝統的な飾りです。鎧や兜、武者人形などが一般的で、「家族の想いを受け継ぐ象徴」として代々伝えられてきた背景もあります。
そのため、「お下がり」として次の世代へ引き継ぐことを前向きに考える家庭も多いのではないでしょうか（出典：五月人形のお下がりを代々受け継ぐことについて｜安藤人形店）。
ただし、五月人形には「その子どもの厄を引き受ける」という意味もあり、もともとはひとりひとりに新しい人形を贈るのが望ましいとされています。
これは、災厄から子どもを守るために、その子専用の守りとして新たに用意するという考えに基づいています。
それでも、「家族の歴史を大切にしたい」「祖父母の想いを残したい」といった気持ちから、受け継ぐ選択をする家庭もあります。その際には、いくつか注意すべき点があります。
まず第一に、「清めの儀式」を行うことです。お祓いや風通しの良い場所での陰干しなどを通じて、前の持ち主の気を整え、新たな持ち主に向けてリセットする意味合いがあります。
また、「人形の状態確認」も重要です。長年保管されていた場合、カビや虫害、経年劣化による傷みが見られることもあります。飾る前には、専門の修理業者に相談するのが安心です。
ただし、実際には兄弟間での継承トラブルも起こりやすい点に注意が必要です。
誰が受け継ぐのかを曖昧にしたまま進めると、後々の誤解や不満につながることもあるため、事前に家族でしっかりと話し合うことが大切です。
五月人形のお下がりは、思い出と伝統をつなぐ大切な手段である一方で、現代の価値観や実生活にも配慮した扱い方が求められます。受け継ぐか新調するか迷ったときには、両者をバランスよく取り入れる方法も視野に入れて検討すると良いでしょう。
夫のお下がりを気にする場合、気にしない場合。どちらが正解？
五月人形の「お下がり」を使うかどうかは、家庭によって考え方が大きく分かれるところです。特に「夫が使っていた五月人形を子どもにも使わせたい」というケースでは、「気にする」「気にしない」の両方の立場に正当な理由があります。
まず「気にする」立場では、五月人形が持つ意味合いを重視しています。
伝統的に、五月人形は「その子の厄を引き受ける」役割を持つとされており、1人に1体が基本という考え方が根付いています。別の人が使った人形をそのまま譲ることに対して、縁起や風習の面で抵抗を感じる方が多いのも事実です。特にご両親や親戚の中には「新しい命には新しい守りを」と願う方もいるでしょう。
一方で「気にしない」家庭では、家族の想いを受け継ぐ意味を大切にしています。
夫の五月人形が丁寧に保管されていたものであれば、それを次世代に引き継ぐことに特別な価値を見出す人もいます。
また、現在では人形を新調することにこだわらず、環境や経済的な事情をふまえて柔軟に対応する家庭も増えています。
どちらが正解かを一概に決めることはできませんが、大切なのは「家族が納得できる形を選ぶこと」です。
もし気になる場合は、お祓いを受けたり、新しい飾りを追加することで気持ちの整理がしやすくなります。逆に、気にしない場合でも、人形の状態や衛生面には十分な配慮をする必要があります。
このように、それぞれの選択に良さがあるため、伝統と現代の価値観をバランスよく取り入れながら、家族にとって最も自然な選択をしていくことが、最も納得のいく方法と言えるでしょう。
夫のお下がりを気にする、気にしない場合。お祓い、供養が必要なケースは？
夫のお下がりの五月人形を使うかどうかは、家庭ごとの価値観によって大きく分かれます。特に「気にするか、気にしないか」は、信仰や習慣、地域性にも左右されることが多いです。
まず、気にする場合は「五月人形はその子の厄を引き受けるもの」とされる考え方に重きを置く傾向があります。この視点では、誰かが使った人形を別の子どもに使いまわすことに抵抗を感じる方が多く、新しくその子専用の人形を用意するのが一般的です。とくに厄年を意識する家庭や、行事ごとにこだわりを持つ場合には、お下がりを避ける傾向が見られます。
一方で、気にしない場合は「家族の歴史や思い出を大切にしたい」という思いが優先されます。祖父母や夫がかつて使っていた鎧や兜を受け継ぐことに特別な意味を見出し、「物を大事にすること」や「伝統を守ること」として前向きに捉える人も少なくありません。
では、お祓いや供養が必要なケースとは、どのようなときでしょうか。
たとえば、以前の持ち主が亡くなっている場合や、人形の扱いが長年放置されていた場合には、「お祓い」や「供養」を行うことが心の整理にもつながります。また、家族の中に心配性な方や気にする方がいる場合も、精神的な安心を得るために神社などで清めの儀式を依頼するのが良いでしょう。
供養は、単なる廃棄処分ではなく、感謝の気持ちを込めて人形に別れを告げる儀式です。地域の神社や寺院、または人形供養を専門に扱う業者でも受け付けています。お祓いは、神職による祈祷や清めの手順を通じて、新しい環境での再スタートを後押ししてくれるものです。
このように、気にするかどうかは個人差があるものの、必要に応じてお祓いや供養を取り入れることで、気持ちよく受け継ぐ準備が整います。特に迷いがある場合は、家族内で話し合い、価値観をすり合わせた上で判断すると安心です。
しまい忘れてしまいました。。。ずっと飾っているのはNG？
五月人形を長期間出しっぱなしにしておくのは、避けた方がよいとされています。その理由は、風習や縁起の観点だけでなく、人形の劣化にも関係しているからです。
まず、「出しっぱなし＝その子の厄を引き受け続けている」と捉える考え方があります。五月人形は、端午の節句の期間中に子どもの無事や成長を願って飾るものであり、節句が終わったら丁寧にしまうことで、厄災や災いを封じ込めるという意味合いがあるのです。飾り続けることは、本来の役目を終えた人形をいつまでも現役で置いておくようなもので、縁起が良いとは言えません。
さらに、物理的な面でも注意が必要です。日差しや湿気、ホコリにさらされ続けると、人形の衣装が色あせたり、木材部分にカビや傷みが発生したりすることがあります。とくに、湿気が多い時期に飾りっぱなしだと、虫食いやカビの原因になるため、大切な人形が短期間で劣化してしまう恐れもあります。
ただ、しまい忘れたからといって慌てる必要はありません。できるだけ早く片づけることが何よりも大切です。しまう際には、人形を風通しの良い場所で一度陰干しし、ほこりを払いながら丁寧に収納しましょう。その際、新聞紙ではなく中性紙や不織布を使うと、湿気対策になります。
いずれにしても、五月人形は「飾る期間」「しまう時期」それぞれに意味があります。うっかりしまい忘れてしまっても、次の節句に向けてきれいに整えてあげれば、十分に役割を果たしてくれるでしょう。日常生活の中で、無理のない範囲で大切に扱う気持ちが何より大切です。
五月人形「いつ出す？」「出さないとどうなる？」2025の飾る日から正しい扱い方まで解説のまとめ
- 五月人形は端午の節句（5月5日）までに飾るのが一般的
- 2025年は4月中旬〜下旬の大安が飾るのに適した日
- 飾ってはいけない日はないが仏滅や赤口を避ける傾向がある
- 五月人形は子どもの厄を引き受けるとされる縁起物
- 出さないまま大人になっても問題はなく、家庭の判断で良い
- 飾るのは中学生頃までが一つの目安とされる
- 飾りっぱなしは人形の劣化や縁起の面で避けた方がよい
- しまうタイミングは晴天で湿気の少ない日がベスト
- 段ボールより桐箱やプラスチックケースなどの収納が適している
- 飾る場所は床の間でなくてもリビングや玄関などでも構わない
- コンパクトサイズの兜飾りや壁掛けタイプも選択肢になる
- 約3割の家庭は五月人形を購入していないというデータがある
- お下がりを使う場合は清めやお祓いをして気持ちよく受け継ぐ
- 古い人形は修理やメンテナンスをして使うことも可能
- お下がり使用に正解はなく、家族の納得が一番大切